令和6年秋期試験問題 午前Ⅱ 問8

EVMを採用しているプロジェクトにおける,ある時点のCPIが1.0を下回っていた場合の対処として,適切なものはどれか。

  • 実コストが予算コストを下回っているので,CPIに基づいて完成時総コストを下方修正する。
  • 実コストをCPIで割った値を使って,完成時総コストを見積もり,これを予想値とする。
  • 超過コストの原因を明確にし,コスト効率を向上させるための対策に取り組むとともに,CPIの値を監視する。
  • プロジェクトの完成時にはCPIが1.0となることを利用して,CPIが1.0となる完成時期を予測し,スケジュールを見直す。
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分野 :マネジメント系
中分類:プロジェクトマネジメント
小分類:プロジェクトの時間
解説
CPI(Cost Performance Index:コスト効率指数)は、実コストに対する予算コストの割合を表し、「CPI=EV/AC」の式で求めます。

CPIは、1.0より大きければ実コストが予算コスト未満、1.0ちょうどで予算通り、1.0より小さければコスト超過を意味します。この設問では「CPIが1.0を下回っていた場合」を想定しているので、問われているのはコスト超過の場面における対処策です。
  • 記述とは逆で、実コストが予算コストを上回っています。
  • 現在のCPIが続いた場合の完成時総コストを求めるには、次の計算が必要です。
    • 完成時総予算(BAC)からEVを差し引いて残作業量を求める
      残作業量=BAC-EV
    • 残作業量を現時点までのCPIで除すことで、残作業に対するコストを見積もる
      残作業コスト見積り=残作業量÷CPI
    • 残作業コスト見積りと現時点までに発生したコストを足す
      完成時総コスト見積り=AC+残作業コスト見積り
    CPIで割るのは実コストではなく、残作業量(BAC-EV)です。
  • 正しい。コスト超過が発生しているので、差異分析を実施し原因を明らかにするとともに、改善を行うべきです。
  • CPIは「予算÷実コスト」で表される指標です。完成時のCPIは予算と実コストの関係で決まるため、1.0になるとは限りません。
  • 完成時総予算(BAC:Budget At Completion)
  • 完成時総コスト見積り(EAC:Estimate At Completion)
  • 残作業コスト見積り(ETC:Estimate To Complete)

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