平成27年春期試験問題 午前Ⅱ 問15

次の調達の要領で,ソフトウェア開発を外部に委託した。ほぼ計画どおりの日程で全工程を終了して受入れテストを実施したところ,委託した範囲の設計不良によるソフトウェアの欠陥が多数発見された。プロジェクト調達マネジメントの観点から,取得者が実施すべき再発防止の施策として,最も適切なものはどれか。

〔調達の要領〕
  • 委託の範囲はシステム開発の一部分であり,ソフトウェア方式設計からソフトウェア結合までを一括して発注する。
  • 前年度の実績評価を用いて,ソフトウェア開発の評点が最も高い供給者を選定する。
  • 毎月1回の進捗確認を実施して,進捗報告書に記載されたソフトウェア構成品目ごとの進捗を確認する。
  • 成果物は,委託した全工程が終了したときに一括して検査する。

  • 同じ供給者を選定しないように,当該供給者のソフトウェア開発の実績評価の評点を下げる。
  • 各開発工程の区切りで工程の成果物を提出させて検査し,品質に問題がある場合は原因を特定させて,是正させる。
  • 進捗確認で,作成した設計書のページ数,作成したプログラムの行数,実施したテストケース数など,定量的な報告を求める。
  • 進捗確認の頻度を毎月1回から毎週1回に変更して,進捗をより短い周期で確認する。
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分野:マネジメント系
中分類:プロジェクトマネジメント
小分類:プロジェクトの調達
解説
  • 設計不良が多数発生したということは、供給者側に開発レベル不足などの問題があったと考えられます。評点を下げることで、次回から同じ供給者を選定する確率は低くなりますが、調達案件に適合しない業者を選定してしまった原因である「前年度の実績評価を用いた評点」を改めなければ、今後も同じ問題が発生する可能性があります。
  • 正しい。成果物の検査を受入れテスト時に一括して行なっていることが問題です。このような事態を避けるためには、供給者が作成した成果物を管理上の節目ごとに監査し、品質を確認することが求められます。
  • 供給者は計画通りの日程で開発完了しているので、問題の原因は進捗管理ではありません。
  • 「ウ」と同じ理由で誤りです。

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