令和6年秋期試験問題 午前Ⅱ 問21
問21解説へ
経済産業省が公表した"AI・データの利用に関する契約ガイドライン1.1版"における,AI技術を利用したソフトウェアの開発・利用に関するユーザーとベンダー間の契約についての記述のうち,適切なものはどれか。
- AI技術の発展・普及に伴い,法律は適宜改正されており,AI技術を利用したソフトウェアの開発・利用に関するユーザーとベンダー間の契約に関する権利関係や責任関係は,全て法律で規定されている。
- AI技術を利用したソフトウェアの開発でユーザーがベンダーに提供するデータは,一般に公表されているデータだけを使うので,その経済的価値や,秘匿性に関して,契約上考慮する必要はない。
- ユーザーとベンダー間でAI技術を利用したソフトウェアの開発・利用に関する契約プラクティスが確立していないことが,AI技術を利用したソフトウェアに関する法的問題が発生する一因である。
- ユーザーとベンダー間でAI技術を利用したソフトウェアの開発・利用に関する契約を締結するときに,法的拘束力を有するこのガイドラインにのっとって責任分担を明確にしなければならない。
正解 ウ問題へ
分野 :ストラテジ系
中分類:システム企画
小分類:調達計画・実施
中分類:システム企画
小分類:調達計画・実施
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解説
- AI技術の急速な発展・普及に法律が追い付いていないため、AI技術を利用したソフトウェアに関する権利関係や責任関係について、法律によって明確にされていない部分が多いとされています。
- ユーザーがベンダーに提供するデータは、企業としての競争力の源泉となる経済価値や秘密性があるデータである場合もあります。法的に保護されるデータは限定的なので、データの保護は、秘密保持義務、利用権限、管理方法、損害賠償条項といった契約を通じて図られるものとしています。
- 正しい。AI技術が産業利用可能な技術として近年急速に発展・普及してきたことにより、主に次の4つに起因して、AI技術を利用したソフトウェアに関する法的問題が生まれているとされています。
- AI技術の特性を当事者が理解していないこと
- AI技術を利用したソフトウェアについての権利関係・責任関係等の法律関係が不明確であること
- ユーザーがベンダーに提供するデータに高い経済的価値や秘密性がある場合があること
- AI技術を利用したソフトウェアの開発・利用に関する契約プラクティスが確立していないこと
- ガイドラインは法的拘束力を有するものではなく、あくまで契約を締結する際の参考として提供されています。契約自由の原則にのっとり、契約内容や契約方式は当事者の意思に委ねられています。
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