平成31年春期試験問題 午前Ⅱ 問22

下請代金支払遅延等防止法の対象となる下請事業者から納品されたプログラムに,下請事業者側の事情を原因とする重大なバグが発見され,プログラムの修正が必要となった。このとき,支払期日を改めて定めようとする場合,下請代金支払遅延等防止法で認められている期間(60日)の起算日はどれか。

  • 当初のプログラムの検査が終了した日
  • 当初のプログラムを下請事業者に返却した日
  • 修正済プログラムが納品された日
  • 修正済プログラムの検査が終了した日
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分野:ストラテジ系
中分類:法務
小分類:労働関連・取引関連法規
解説
下請代金支払遅延等防止法(下請法)は、親事業者による下請け業者に対する優越的地位の乱用行為を取り締まるために制定された法律です。法律には、"下請け代金の支払い確保"のほかにも親事業者の義務や禁止事項などが条文化されており、親事業者の下請事業者に対する取引を公正に行わせることで、下請け業者の利益を保護することを目的としています。

プログラム作成業務では以下の2つが下請法の適用対象取引となります。
  • 資本金3億円超の企業が、資本金3億円以下の企業に製造委託する場合
  • 資本金1千万円超3億円以下の企業が、資本金1千万円以下の企業に製造委託する場合
下請法では「下請代金の支払期日は、親事業者が下請事業者の給付の内容について検査をするかどうかを問わず、親事業者が下請事業者の給付を受領した日(役務提供委託の場合は、下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした日)から起算して、60日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない。」と定め、納品日から60日以内に支払期日を設定する義務を親事業者に課しています。

本問のケースでは、目的物であるプログラムに下請事業者側の責に帰すべき理由による不具合があったので、親事業者は民法の規定に基づき下請事業者に対して無償で修補や代替物の請求を求めることができます。この場合、親事業者は再納入日を起算日として60日以内に代金を支払う必要があります。 したがって「修正済プログラムが納品された日」が起算日となります。

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